先日ご依頼いただいた作業の中でステムを一旦外す工程がありその時に気づいたことがございました。

こちらはトップキャップを外したところ。ステムの割りの部分とアンカーの割りの部分が重なり合っています。

アンカーを外した状態。ボルトを締め付けるとこの割りの部分が広がってコラムから抜けないようになります。

今すぐトラブルになるとかそういうことではないのですがアンカーの割りの位置とステムの割りの位置が同じだとステムを締め付けたときにカーボンコラムの一点に応力がかかり望ましい状況ではありません。

このようにステムの割りの位置とアンカーの割りの位置は180度ずらした方がいいです。メーカーによってはこのように取り付けるように指示されていることもあります。

また、このタイプのアンカーはコラムとの摩擦係数が少ないのかコラムから抜けやすいので当店ではカーボンアッセンブルコンパウンドと呼ばれるようなザラザラとした手触りの摩擦係数を上げるグリスを使用します。このバイクにはそれらも使用されていませんでしたのでそちらも塗布してから再組付けをいたしました。

今回はご依頼いただいた作業内容とは関係のない部分でしたが気づいてしまったからには放っておくこともできないのでサービスで作業させていただきました。

ちょっとした組付け時の注意点のお話でした。